夜の旅、その他の旅

持ってるレコードとか日常とか。

カルト?

東京でたくさんの若い女性と交替制で結婚していたオッサンが逮捕された。別に結婚や同居のせいでつかまったわけではなく、新しくハーレムを増やそうとして脅迫罪に引っ掛かる事言ってしまったからなのだが。

それにしても彼女達はなぜあの海坊主みたいな不気味な男に群がって暮らしているのか。催眠術の本がたくさん押収されたというけど、催眠術ってそんな風に誰かを拘束するような強力な力があると思えない。
事柄Aに対してBの様に反応する…くらいならできそうだけど、人格すべてを支配するなんてそんな強力な手法があるのだろうか。書店のランキングで催眠術関係の本が急上昇中…とかだったら笑えるけどね(笑い事じゃないです、ゴメンナサイ)。

ただ最初の一人二人をトリコにするのは難しいだろうけど、その後はたやすいような気もする。何しろ自分に自信のない人間はウヨウヨしているしスカウトする女性達は自分と同じ匂いのする女を探せばいいわけだから。
本当に自己評価の低い人たち、居場所がないと感じている人達の多さといったらびっくりするほどだ。
詐欺師に狙われやすく、つまり犯罪に巻き込まれやすい人びと。
自分でも自分の弱さを理解しているから、何か強いものにすがろうとする。反社会的な組織に属したり、DV男とつきあったりする。

なんでだろうと前に考えたことがある。
私なりの結論は親離れに失敗したという事だろうと思う。
普通は思春期に精神的に親の保護(場合によっては支配)からぬけだそうとするはずだ。ロックンロールのヒーローを持ったり、尊敬する人物を持ったりしてなんらかの自分の成人としての理想像を描こうとする。
たいていはうまく現実をみながら親との距離を取りつつ大人になろうとするのだが、親がそれを許さない場合がある。
自分の中に絶対なコドモの完成型を持っている親の子供達はどこかの時点で挫折感を味わう事になるだろう。大抵親の方に問題がある事が多いだろうが、自分の理想を描きそれに憧れる子供とその理想を頭ごなしに忌み嫌う親。子供としては自分が見つけた自分の理想像を全否定されるような気分になるだろう。理想像そのものは最初単なるロールモデルであり、放っとけばそのうちフェイドアウトするものだったのかも知れないのに親の反対という障壁に出会い子供の中でさらに価値を持つものになる。
なぜならもともとそのロールモデルは「親を乗り越えて成長する」という目的の為に産み出されたものだったのだから。

そんな時に激しい吸引力を持ったキチガイにあったらどうなるでしょう。
もともとエキセントリックな性分の子供が親との対立を乗り越えて大人になるという過程に失敗していたら。
かなり高い確率でそのキチガイが素敵に見えてしまうんじゃないか。
しかも自分の興味ある分野(チャールズマンソンはストリートミュージシャンで刑務所暮しの経験があり、自然回帰を唱えていた)に精通していると思われる人物だったとしたら。

一人の男性を囲んで女性の信者(あえてこう書く)が集まるというカルトは非常に多い。エレクトラコンプレックスというやつのせいだとよくいわれるが間違ってはいないと思う。男性がこれに加わるのはやはり彼らが大人になり損ねているからだ。
安い時給で何の保障もなく、夜昼となく働かされそれでも親方についていきます!みたいな若者を何人も知っているが彼らはその「修行の途中」で成長するので現実的な大人になりカルトなんかには巻き込まれない。
巻き込まれるのは親との葛藤(本当はもう何年も前に乗り越えなくては行けなかった)に失敗し、なかったことにして生活してきた人びとなのだ。
押さえてきた感情はどんな種類のものにせよ、時にかなりの爆発力を持つ。世間からなぜ?どうしてそんな事を?と言われるような行動に出る事だってある。それが良いか悪いかはわからない。

ただ思うのは、犯罪集団のようなカルトの蔓延を防ぐには思春期にまともなロールモデルを提示する事だ。
親以外の権力であり、なんらかの努力で乗り越える事のできるようなものだと一般的だし、乗り越える事の出来ないようなものは哲学、宗教、芸術分野だろう。その人間にあわせて選べるといいと思う。
こういうことをいうと韓国の様に軍隊に入れたら良いというアホが必ずいるけれど、全部まとめて、軍隊に入れるというのは痴呆的発想だと思う。