夜の旅、その他の旅

持ってるレコードとか日常とか。

Don’t sing him back to HEAVEN right now

どうしても彼の死を受け入れる事が出来ない。
zepさんのボードにポストされた'ten count gong for Ajiyan'という文字を見て泣き崩れてしまった。
そんな事をしたら本当に逝ってしまった人みたいじゃないか。
と考えてああ、そうなんだ、いないんだもう、と思う。
ずっと彼は大丈夫だという態度を自分にも子供にも本人にもとり続けてきたので、感覚がおかしくなっている。
でもまだ送らないで欲しい、今はまだ。

去年の父親の死だって理解できないのに。
彼を荼毘にふしたのはついこのあいだの木曜日、4/13だ。
どうしたってわからない。
なんで?なんで/なんで?
彼の死を確認した知人からの電話に一体なんで?と私は言った。
だって、だってそんなんじゃなかった。
こっちが疲れる程CD屋で粘るし、延々と運転しながらベラベラ喋り続けるし、
電話で軽く、けんかまでしたのだ。死ぬほんの一週間ちょっと前に。

葬儀の手配をし、彼の何も見ていない見開かれた目をこの手で閉じさせようとし、彼の耳が汚れていたのを涙で拭い、乱れた髪を撫で付け、骨を拾って、彼を送る式を終えた今でも同じ問いがこだましている。なんでなの?

彼はエレクトリック・ラリー(「そうそう、女の子を見てはAre You Married?って聞くんだよなあ、あいつになりたかったよ」)であり(もしElectric Rallyを知らなかったら映画"Get Crazy"を観て欲しい。最後に話した時にあのバカな映画をも一回観たいよなあといってた)、ウェイビーグレイビーであり、本当のところDeadよりもNeil YoungやLittleFeetを愛していた。
今一番聴いているのはテキサスのブルースオリエンテッドなシンガー/ギタリストで名前は思い出せないけど、やっぱりああいうブルースが根っこの音楽が好きだといい、Chris Whitleyばかりきいている私は全く同感だった。
先にデッドを持ち出したのは私だけれど、しばらく会わない間にすっかりDeadheadsになっていた。けれど彼は非日常に盛り上がる場を感知する能力に長けていたので、ちょうどデッドと感応したんだろうなあと今は思っている。
ブルーズの入ってない音楽は…と言うのが我々の見解で、デッドはもちろんブルーズバンドだけれど、デッドヘッズの中には誤解している輩も多いというのがまた一致していた所だった。
彼がJerryを尊敬していたのは最高に「不良だった」から。

そして彼はNeil Youngの中で一番好きな歌はWinterlong だと言った。
これをきいて私は彼と恋に落ちたのだし、これはもしかして私だけの秘密だ。

そんな事をこうやって書き記すのは、なぜなのだろう。

このあいだ、自分に対してある賭けをした。
そしてその結果、私は車窓からこれまで見た事もない神々しい富士山をみた。
ありがとう、いつもそうだったね。と泣きながら思った。

人から見ればめちゃくちゃだろうけど、私達の間ではちゃんと決着がついていたのだ。
今さらそう思う。

さよなら、あとでね。絶対にね。