夜の旅、その他の旅

持ってるレコードとか日常とか。

それでも人生は美しい

仕事の帰り新宿西口までバスに乗る。
西口ロータリーをぐるっと旋回した瞬間、ああ、ここを何回通っただろうと考える。
幼児の頃から一体何回新宿駅を通っただろうか。普段はとても好きとは言えない場所。
バスとともに傾斜しながら過去と未来に瞬間的に思いを馳せる。
そして人生の不思議さにくらくらとする。
親にフーテンと目を合わせてはいけないと言われていた頃。
大きくなってそのフーテンみたいなかっこで友達とうろうろしていた頃。
前のダンナとウィスキーをガブ飲みした記憶
死んだダンナの車でロータリーを通った時に交わした会話。
そしてその全てが今の私の中にある不思議。


家で私の帰りを待つ末っ子も明日はとうとう小学校を卒業する。
何て素晴らしい偶然の積み重ねで今があるんだろう。
公私ともに最悪で、借金がかさみ、にっちもさっちもいかなくなっているのに、この幸せはどうだろう。


生きてるのはこのうえない快楽だ。
誰だか知らないがこれをくれたものに感謝する。