夜の旅、その他の旅

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蜃気楼

小さいときは良く蜃気楼を見た。
海水浴をするのは父母の故郷である新潟市に限られていたが、この辺りから福井県のあたりは非常に蜃気楼の現れやすい土地であるらしい。
とにかくなんでもボーッと見ているのが好きだった子供であった私は砂浜で何度も何度も蜃気楼に遭遇した。
全く逆さまの街、双眼鏡で見てもまるっきりに日本とは思えない街、空飛ぶ船、逆さまなヨット。
不思議で不思議でたまらなかった。
あれはどこかの街の今の姿なの?良く見たら動いて生活している人間が見えるの?
オトナに聞いても適当に答えるだけなので、私は勝手に想像した。
今でも蜃気楼についてはあまり詳しく知りたくない。
あの時のままに信じていたい様な気がするから。


そして今日は長女の19歳の誕生日。
このくらいまで来ると。親としてはおめでとうと言うか、感慨深いものがある。

当時「地球の上に生きる」を愛読していたので医者なんかかかる必要はないと思っていた(まあ多分子供の父もそれでイイと思ってたんじゃないかと思う)。
妊娠5ヶ月くらいで実家の知る所と成り、「病院」へ行かされた。
先祖が御殿医だった昔から医療に関してウルサイ家族に負けて一応は診療を受けたが、良好だと言うのでそのまま行かなくなった。
そして自分で探した産婆さんにお世話になった。
それは私の生涯で一番正しい選択だったと思う。