夜の旅、その他の旅

持ってるレコードとか日常とか。

最後に確認しよう、我々は明日のジョーである

有名なんだろうけど知らなかったサイト、「無限回廊」にハマっている。
海外の犯罪実話が好きで(もちろんそういった本の中での最高峰はファグスのメンバーの書いたマンソンの「ファミリー」だと思う。まあ、カポーティの「冷血」という名作もあるけれど、あれはあくまでもカポーティが小説の素材として事件を使った作品だと思っている。「ファミリー」を好きなのは書き手の嫌悪感をあらわにするという手法に初めて接したノンフィクションだったという理由もある)興味のあるものをチェックしてきたが、いつも思ってきたのは、「コレって本当に真実?」という問いかけだった。
だから、リアリティのありすぎる日本国内物は、あえて避けてきたのだった。
週刊誌やスポーツ紙くらいはチェックしますけどね。
村上春樹のオウム物さえ読んでいない。

古い事件は時効が成立していたり、関係者が皆死んでいたりして真偽の程がちょっとアヤシイ。
そうなんだけど、おもしろいからしょうがない。
何にそんなに捕らえられたかといえばその時代背景による「ありえなさ」だ。
よど号のハイジャック決行は予定では実際の数日前だったという。
ところが当日遅刻するメンバーがあまりに多く、やむなく延期されたのだという。その遅刻の理由がチケットの買い方を知らない、飛行機には予約が必要だという知識がない、搭乗手続きに時間がかかる事を知らない、というものだったというのがスゴイ。飛行機に乗れなきゃハイジャックできないよ!
そして行き先に北朝鮮を選んだのも米国、西ドイツ、日本の「先進帝国主義国家」を取り巻く労働者国家としてキューバアルバニア北朝鮮をピックアップし、「日本人なら北朝鮮の人民を味方につけろ!」という思考なのだからものすごい。赤軍といっても同じ時代のアメリカのフリークスとくらべれば、ずっと、既存の体勢を信頼していたのだなあ、とびっくりだ。

我々は明日のベラマッチャである、位言えていたなら、きっとハイジャックの時点でうまく北鮮にいくことができただろう。とりあえず彼らの思い込みが今の時代まで人々に迷惑をおよぼしているのは確かだろう。
全く迷惑な話だ。
しかし、その間違いを正して、志を継ごうという人たちがいなかったのは不思議でもある。私が学生だった1982年頃はまだそういった団体が生きていた。
同じような人材がカルトに流れて行ったのは家庭というものが影響しているんだろうなあ。
高偏差値の大学の文系の中でも体育系のタテ社会に憧れちゃう人たちがカモになっているんだろうなあ。
今も昔も、社会に不満があるのではなく、自分に不満がある人たちがそういった活動のドツボにハマっていってる気がする。

夢見る人たちのどこが間違っていたか、今の我々が指摘するのはたやすい事だが。