夜の旅、その他の旅

持ってるレコードとか日常とか。

Going Home(フジロック前編)

Ratdogから帰ってきた。
25日の昼頃家を出て、帰ってきたのは
明けて26日の5時30分頃。
雨は降ってもちょっぴりのはずだった。
一応たくさん降っても良いように用意はしていったのだけど
なにしろフジロックは会場にタープもテントも張れない。
グリーンとかの大きなステージの後方にすこーーしだけ張っても良いスペースがあるだけ。
つまり雨だろうが嵐だろうが雨よけの基地を作れないと言うことだ。
ウーン、なんなんだろうね。第一回で懲りたんじゃないの?
キャンプサイトなんか一番近いステージからでも2,30分はかかる。
今回の目的地フィールド オブヘヴンからキャンプサイトの奥までだったら
大人の足でも一時間弱はかかるだろう。
フィールドオブヘヴン側にゲートを作るか、
テントを張っても良いことにして欲しいなあ。
そうじゃないと若者でも相当キツイよ。
ウチは会場から30分ほどのところに車をとめるところを
確保していたので、そっから歩き始めたのがもう5時頃。
チケットの確保に小一時間かかり、
ゲートをぬけてひたすらフィールドオブヘヴンを目指して歩く。
今回は日帰りのつもりだったので荷物は着替えと若干の飲み物と
携帯用の椅子だけ。
グリーンステージを過ぎるとヌカルミをさけて通る道はなくなる。
ホワイトステージのわきからボードウォークが
作られていて(何と主催者は板一枚幾らでヴォランティアから金をとって作らせたらしい。偽善者!)、奥のほうへの近道ができる。
さらにさらにさらに空きっ腹を抱えて歩く。
こどもたちは過酷な状況にならされているせいか、
辛抱強く結構楽しそうについてくるので安心。
まあ歩くしかないしね。
歩きながらステージの横を通り過ぎていくと面白いことに気がつく。
ひとつのステージの音が遠ざかって消えていくと同時に次のステージのおとが聞こえて来るのだ。
まるでうまい曲間のつなぎみたいにフェード・インしてくる。
遂にボードウォークがおわり、正面にオレンジ・コート、
左手をヌカルミとたたかいながら登っていくとフィールドオブヘヴン。
オレンジ・コートは今年からの新しいステージらしいが
まるで一面、海。トイレに行く時ちらっと見たら、
100人もいないと思われる客の前でオッサンのバンドが演奏中。
誰だろうと思ったら、ジョン・メイオール&ブルースブレイカーズとわかり
ラクラする。何つー場所だ。
フィールドオブヘヴンではセクター9が演奏中。冷たいとびもの系の音。
20才若くってもたいして興味が持てなかったと思われる音。
とりあえずどうしようか考える。
知り合いを探しつつ雨宿りすることに決め、歩き出す。
ムロケン氏を発見して挨拶してるとテンションが振り切れそうな
ジーパンのカットオフをはいた女の子がダンナ目指して駆け寄ってきて
抱きついて来る。知り合いのバイク関係の店の子らしく、
張っているというタープに連れてってくれる。
フー、良かった、屋根をゲットする。
一安心して座らせてもらう。
朝早くに頼み込んでムリヤリ張らせてもらったらしい。
6年ぶりくらいに逢った人たちに驚きながらふと時計を見ると
もう開演の7時半まで40分位しかない。
電話すると約束していたたにさんにかけてみるが、つながらず。
とにかくここはケイタイは何の役にも経たない。
あと何人か約束していた人たちにかけてみるがまったくだめ。
こんな狭い会場に確かに来ている人達に会えないとはね。
あきらめて食べ物の調達に行こうとするが疲れて動けない。
とりあえず子供をタープに残し、様子を見にひとりでさまよう。
と今度は元ダンナを発見。サンドイッチを買ってきてもらう。
ビールを買いにいきがてら、店を探索。
子供を連れに戻り、雨に打たれながらチキンカチャトラを食べる。
トイレにいってる間に歓声が聞こえる。
バンドがでてきたらしい。ウー,ジャムから「Jack Straw」だー。
丸焼きしていたロースト・ポークとおいしそうなソーセージやベーコンの盛り合わせを買って椅子に座らせてから、単身ステージ前に侵入。
向かって右側のはしっこにいく。
信じられない程ガラガラで、いいのかよ!?という感じ。
だって、だって、ボビーがいる何メートルか横にはカレーの屋台が。
2列目くらいにいってもすぐに抜けて戻ってこられるし。
バード・ソングとCassidyを聴いてる間はしばし我を忘れる。
コドモを迎えに行こうと思ったら(この時点で既にダンナは行方不明。結局最後まで逢わなかった)Little Red Roosterが始まり、脚が止まる。
Big Boss Manで基地に戻り前においで!といって全員を引き連れて戻ってくる途中でPlayin In the Bandのイントロが!
何というか、ラットドッグはなかなかイカないバンドだけれど、
この次の曲October Queenは知らない曲だったけど本当に素晴らしかった。
いきなり音の密度が高まり、あれよというまに目の前に出現する音のエクスタシーの壁。ギュギュギュともちあげられて、優しく着地させるような。
もちろん舵をとるのは我らがボビー・ウィアだ。
聴いてるお客もほとんどがこの素晴らしい揺りかごの存在を正確にキャッチして反応している。
ミシシッピ〜ルーズ・ルーシーでひとまずインターバル。
(...続く)