夜の旅、その他の旅

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Lather

CHIKAKO2003-07-05

Jefferson Airplane普及委員会
第8回 Lather
なぜか男性に高い人気を誇る、「Crown Of Creation」のオープニングを飾る曲。
グレース作のこの曲は、当時のエアプレインで唯一彼女より年上だった(そして恋人でもあった)スペンサー・ドライデンが30歳になったのをからかって作られた曲らしい。
当時のフリークスの合い言葉「Dont Trust Over Thirties」(30才以上は信用するな)があったことでわかるように、30才になると言うのは大変な事なのだった。
30才になるというのは、オトナになることであり、
体制のシステムに組み込まれるという事であり、
何人かの奇跡的な例外を除いてはカウンターカルチャーの外にいるという事なのだった。
もちろん、30才になったとたんに何がどうなるというわけではなく、
当時のカウンター・カルチャーの担い手達が
いかに年齢的に若かったかという事がよく解る。
まあ一方では、ケン・キージーがいて、
(罵倒されつつも)ビル・グラハムがいて、
ウェイビー・グレイヴィが居て、ギンズバーグがいたりしたわけだし。
Nose Solo(一種の鼻歌)でクレジットされている
Gary Blackmanはマーティのエアプレイン以前からの古い友人だという。
「After Bathing At Baxters」の「A Small Package Of Value Will Come To You Shortly」や
「Bark」や「Volunteers」のジャケットデザインとコンセプトに貢献している人物。
この文章を書くにあたって、色々と教えて下さった
Marjorieさん、プーニールさん、Pooneil JA Boardのみなさん、ありがとうございました。
特にMarjorieさんの御教示がなければ、Garyについては何にもわかりませんでした。どうもありがとうございました。
Lather
(Grace Slick)
Lather was thirty years old today,
They took away all of his toys.
His mother sent newspaper clippings to him,
About his old friends who’d stopped being boys.
There was Harwitz E. Green, just turned thirty-three,
His leather chair waits at the bank.
And Sergent Dow Jones, twenty-seven years old,
Commanding his very own tank.
But Lather still finds it a nice thing to do,
To lie about nude in the sand,
Drawing pictures of mountains that look like bumps,
And thrashing the air with his hands.
But wait, oh Lather’s productive you know,
He produces the finest of sound,
Putting drumsticks on either side of his nose,
Snorting the best licks in town,
But that’s all over...
Lather was thirty years old today,
And Lather came foam from his tongue.
He looked at me eyes wide and plainly said,
Is it true that I’m no longer young?
And the children call him famous,
And the old men call him insane,
And sometimes he’s so nameless,
That he hardly knows which game to play...
Which words to say...
And I should have told him, "No, you’re not old."
And I should have let him go on...smiling...babywide.
 
Lather
泡ぶくちゃんは今日30才になった
オモチャは全部取り上げられてしまったの
彼の幼馴染みがどんな立派なオトナになったか
ママは新聞の切り抜きを送りつけてきた
ハーウィッツ・E・グリーンは33才で
銀行のおエライさん
ドー・ジョーンズ軍曹は27才
戦車部隊に指令を下している
だけどまだ泡ぶくちゃんは
はだかで砂浜に寝るのがお気に入り
ボコボコした山の絵を描いて
手で空を切っている
だけどもちろん、泡ぶくちゃんは創造力に富んでいる
彼の作り出すサウンドはとっても素晴らしい
片方の鼻の穴をドラムスティックで塞いで
町いちばんのコークで鼻を鳴らす時は
(Nose Solo by Gary Blackman)
でもそんな事も全ておしまい
泡ぶくちゃんは今日で30才
口から泡を飛ばしながらやってきた
目を大きく見開いて淡々と私に聞いたの
「俺はもう若くないって本当かい?」
子供達は彼を有名人といい、
老人達は彼を狂ってるという
時には彼は全くの名無しさん
どのゲームに入れてもらうか
何を言うべきなのか
彼にはわかってそうもない
言ってあげるべきだった
「ううん、年寄りなんかじゃない」と
赤ちゃんみたいにあけっぴろげに微笑みながらやっていっていいのよと
画像は「Crown Of Creation」の裏ジャケ。いちばん右端がLather=スペンサー・ドライデン。