夜の旅、その他の旅

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何だか死ぬような気がする-Rag

CHIKAKO2003-03-25

気がついたら、春になっていた。
アート・ガーファンクルの「Water Mark」でも聴いてほのぼのしていたいが、
何かと問題多く気のめいる毎日。
この前日記に書いたCSNのファ−ストと、デジャヴの感想をプーニールさんの
サイトに載せて頂いた。ありがとうございました。
Web 上の友人であるBotak Asli氏のサイト「Harvest Cafe」のCSN&Yのページにも
新たに2つのレビューが加わっている。ぜひ御一読を。



Vinyl From My Living Room(持ってるレコードを棚の端から順番に)
Country Joe & The Fish/The Life And Times Of Country Joe And The Fish From Haight-Ashbury To Woodstock(VSD 27/28)
カントリー・ジョー&ザ・フィッシュの歴史を
ライヴを混ぜながら追いかけた2枚組のベスト盤。
つくりかたとしてはジェファーソン・エアプレインのボックスセット、
「Jefferson Airplane Loves You」と同じ。
The Fishの名前の由来は毛沢東の言った「人民の間を泳ぐ魚」、
Country Joeは第二次世界大戦中のスタ−リンのニックネームだという。
その名のとおり、ザ・フィッシュはスタ−トから政治に関係していた。
オークランドでの運動の主催者は、ヴェトナムへの反戦運動に、
歌やその他のパフォーマンスが絶大な力を持つことを
公民権運動でフォークミュジックがもたらした影響を通して気付いていたらしい。
彼らは1965年の秋にこのジャグバンドに出演を依頼した。
そのバークレーの言論自由運動の一派とともにバンドはあちこちで演奏し、
アヴァロンやフィルモアとともに歩んでいくことになる。
カントナーやクロスビー、フライバーグといったひとたちがフレッド・ニールや、
ディラン、ディノ・ヴァレンティ(ウォーウウォウウォのFresh Airからは想像しにくいが、
バ−ズなどが出てくる前から彼はフォ−クの水先案内人だった)などのフォ−クの流れから
その音楽性をふくらませていき、ジェリー・ガルシアはそのルーツをブル−・グラスに持っていたなかで
どうもザ・フィッシュというバンドは純粋に音楽を追求すると言うよりも、
最初からプロテスト色の強い方向に進んでいたようだ。
そしてそれは、今の時代の基準で考えるよりも、過激なことであったように思われる。
この結成当初の「I-Feel-Like-I'm -Fixin'-To-Die Rag」はこのレコ−ドの1枚目の
Side One、1曲めに収録されている。
当時発売された2,3曲入りのEP盤からのテイクらしい。
編成はまさしくジャグバンドでギターやベ−スこそ入っているが、
他には洗濯板や、たらい、タンバリンなどだ。
バリー・メルトンにいたってはカズーとヴォーカルのみでギターすら弾いていない。
この曲と、もう少し後に出た別のシングルに収録されていたBass Strings、
そして時の副大統領リンドン・ジョンソンリチャード・ニクソンをからかった
「Super Bird(Tricy Dick)」は、初期の彼らの有名曲だった。
'67年にヴァンガードからでた「Electric Music For The Mind And Body」は
この年に出たたくさんの優れたサイケデリック・ミュ−ジックのなかのひとつ。
かっこいいジャケットも含めかれらの代表作とも言える。
つづく「I-Feel-Like-I'm -Fixin'-To-Die Rag」、「Together」を通して、バンドは
時代の影響を良い意味で目一杯受けながら成熟していく。
1枚目のSide Twoにはいってる「Janis」は一緒に暮らしていたジャニス・ジョプリンをうたったもの。
デイヴィッド・ドールトンの書いたジャニスの伝記本にジョーのインタビューがのっていて
この曲についても語られている。
同じ面に収録の「Grace」はグレイス・スリックについてかどうか不明だが、たぶんそうだろう。
2枚めのSide Oneは音楽的に大きく開かれた'68年と'69年の
それぞれフィルモア・イーストとウェストでのライヴ。
4枚目の「Here We Are Again」のレコーディング中に何人かのメンバーがバンドを去ってしまい、
その狭間でのライヴなので助っ人としてジャック・キャサディ、ピーター・アルビン、
デイヴィッド・ゲッツ、さらにはデッドのメンバーもライヴに加わることになる。
以前一部の間で話題になったフィルモアのライヴはこの時期のもの。
ウッドストックの何ヶ月か前だ。
2枚目のSide Twoにはウッドストックのライヴが収録されている。