夜の旅、その他の旅

持ってるレコードとか日常とか。

ずっと一緒だったのに気付かなかった(最後まで読んでね)

CHIKAKO2006-06-25

思わせぶりなタイトルをつけてみましたが。
家にハヤカワのミステリマガジンがほとんど創刊号から揃っていた(何年か前の倉庫の火事でほとんど焼失)。それでも何年か分は残っているのとヤフオクでせこせこと落としているので結構揃っている。

最近は1969年を読む事が多くて、この間も7月号の「ショートショート特集」に掲載されている「バーニィ」という天才ネズミの作品が読みたくて本棚から取り出した。ググってみたらこの作品は結構評判が良かったらしくて何冊かのSFアンソロジーにも含まれている。

1969年のHMMはデザイン的にも前年から比べると格段に洗練されていて、ちょっぴりショッキングで、でも暖かく上品で、年別のミステリマガジン装丁ランキング(私の脳内の)ではかなり上位に位置する。
表紙が勝呂忠画拍の抽象画から真鍋博氏の素晴らしいシリーズに変わったのは確か1967年からだが、このあたりから1979年までのミステリマガジンの表紙はどんなのだったか、少し考える時間をいただければ見ないで答えられる程好きだ。
年ごとにテーマが変わっていて、技法もイラスト、写真、コラージュとさまざまだが1969は五味太郎(たぶんあの絵本作家の五味太郎氏)の写真を素材にしたコラージュになっている。

1969年の6月号は「パロディ・贋作特集」。この分野には全く興味がないので殆ど開いていない一冊だった。
この号の表紙のテーマは「表紙の言葉」によれば「蝶人、蝶の標本、巨大な蝶、黒い蝶、蝶紋、オオムラサキは日本の国蝶、蝶類学会、蝶よ花よと育てられ、蝶の血(以下略)」といった真鍋博自身による言葉の通り「蝶」だ。
そしてこの本と何十年も一緒だったのに気付かなかった事とは、この表紙の中にJefferson Airplaneが居る事です。