夜の旅、その他の旅

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SEASONS OF THE WITCH REPRISE 2003/5/29

近々この日記を止めようと思っているので読んでほしいなあと思う日を再録する事にした。


2003年/5/29


異星の客に出て来る水兄弟について。

その前に私が「スニフ思想」と呼んでいるものについて説明させて下さい。

スニフはムーミン谷に住むカンガルーに似た生き物。一応ムーミンの友達と言うことになっている。

彼の基本的な最重要事項は

1. 損をしたくない。

2. オイシい思いをしたい。

3. 一人でなにかするのは恐い。

4. 責任を負いたくない。
というものだ。

そのために、なにか面白そうなことが起きると
誰かの後ろからついていく(君が行くなら僕も行くよ...)。
が、事態が悪い方へ向かいはじめるとまっ先に逃げ出すのだった。

その場にとどまって解決策を探したりは決してしない。

しかし儲かりそうな時は別である。皆が手を引いても、ひとりで食い付いていく。
その結果ボロボロになってまた助けを求めてきたりする。
彼のウマい話への執着は相当なもので、一度はシッポに純金の毛が生えてきたムーミン
売り飛ばそうとしたことすらある。

献身や責任と言う言葉は彼の生き方から最も遠いものだ。



その「スニフ思想」を完全に裏返したものがWater-Brother=水兄弟の考え方。
...水兄弟になるには相手にすすめられた水を飲み、

相手にも水をすすめるだけ。コップの水でもなんでもいい。
しかしその契りをかわしたが最後、お互いに存在の全責任を負うことになるのだ。
常に相手の為を考え、相手がこちらが死ぬこと(もっとも火星人にとっては死=分裂はさしたることではない。それにより火星の生物としての次の段階へ進むだけだ。

それは気が向いた時に皆と相談して行われる。
そして用済みになった肉体はみんなに感謝と敬意を持って食べてもらうのだ。
その共食いパーティーにはひとつ上の段階の市民となった死者も幽霊として参加している)を望めばなんのためらいもなくその場で死ぬのだ。
ヤクザやギャング、カルトもしくは結婚にもありそうな儀式だが、違うのは決定的に何の利害関係もない...ということ。
あるのは相手への徹底的な愛と献身だけだ。
そしてカルトとの違いはたった一人のリーダーに向けてこの儀式が行われるのではなく、
どこでも誰とでも何人とでも「水兄弟」になれるということだろう。

Triad(5/7,5/9参照)を聴く時の御参考に。

興味を持たれた方は創元推理文庫の「異星の客」R.A. ハインライン著をお読みください。

それでは「あなたが決して乾くことがありませんように」。

ちょっと頭がオーバーヒート気味かもね。


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