夜の旅、その他の旅

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サイコ・セクシュアル・スピリチュアル

CHIKAKO2004-06-13

Chris WhitleyのLiving with the lawとLong way around-an anthrogyがやっとamazonより到着。
日記タイトルは本人が自分の音楽を表現した言葉。

テキサス、ヒューストンで生まれ、中西部や国境の町を転々としながら育つ。ジョニー・ウィンターにしびれたりしながらブルーズに目覚めてドブロギターにはまる。
なんて想像通りの経歴なんだろう。ますます好きになってしまった。
ファーストアルバムであるLiving with the law(1991)は工場勤めの傍ら(しかも離婚寸前)、レコーディングされたものであるらしい。
とはいってもプロデューサーは当時の花形ダニエル・ラノワの子飼いの(失礼!)マルコム・バーン。
そのせいか、そこはかとなくU2ぽい音づくりが今となってはとてももったいない。「Big sky country」なんて普遍的な良さを持つ曲なのに、なんだか時代を感じさせる。
それでもこのカントリーブルースをベースにした独創的な音楽は本当に素晴しい。彼が愛すべき存在なのはこの「独創的な」部分による。
ジョニー・ウィンターがブルーズへの敬愛をその音楽の核に置いているとすれば、クリームやCCRが好きだったという(1960年生まれ)のWhitelyにとってはブルーズはたんに自身のエモーションを表現する手段のひとつなのだろう。
そう考えれば彼がファースト以降のアルバムでグランジルー・リードまがいの音楽的な手法を試みていたのもわかる気がする。





Long way around anthrogyの方はベスト盤なのだが、既にアルバムにおさめられていた曲の初期ヴァージョンなどが入っている。

なかでも素晴しいのは、ファースト発表の翌年の1992にレコーディングされていながら日の目を見ていなかったという、ナショナルとヴォーカルだけのDEMO3曲。そのうち一曲はライヴでも演奏されていない曲らしい。ホントにかっこいい。
ただしこのドワイト・ヨーカムっぽい美声は苦手な人もいるかもしれない。
ハナに抜けたり裏返ったり自由自在。わたしはカントリーの歌唱法が男女を問わず大好きなので違和感ありません。